2016年11月23日

人は慣れてしまうと、すべり台のように落ちていく。

今日は香山リカさんの講演会に行きました。
KIMG0518.JPG

2時開始に少し遅れて参加したのですが、まず、香山さんの講演の前には、ミニ学習会「健康長寿社会に向けて”保険でより良い歯科”を」のお話がありました。

内容は、
1.低医療費政策の転換で歯科医療費の総枠拡大を
2.保険のきく範囲を広げる
3.窓口負担を安くする。せめて子どもと高齢者は無料に
4.無料検診制度を全年齢に広げる
5.医療・介護でも口腔ケアの歯科ニーズに応える
6.医科歯科連携と病院医科の充実
7.食育への歯科医師と歯科衛生士の関与を広げる
8.高すぎて払えない保険料を引き下げる
9.歯科医院と歯科技工所が成り立つよう診療報酬を引き上げる

健康長寿社会に向けて政策提言の必要性のお話でした。

続いて香山さんのお話があったのですが、
特に次の2点についてとても興味をもちました。
一つ目は「T4作戦(安楽死作戦)」で20万人の障害者をガス室で殺したこと。
https://www.ushmm.org/outreach/ja/article.php?ModuleId=10007683
これは、AC広告機構じゃないけど、障害者の医療費が必要でなくなると住居が何万軒建てられると宣伝し、世の中の目が障害者が不要だというように動いたところで精神科医などにドイツ国民の福祉をよくするために、そして優秀な遺伝子を残すためにと、回復の見込みのない精神病者をピックアップさせ600万人のユダヤ人が殺されたホロコーストのリハーサルとしてガス室に送り、20万人を殺害した。

1941年8月3日、ムエンスターのクレメンス・アウグスト・グラフ・フォン・ガレン司教が説教で殺害を非難し、その他の著名人や聖職者も殺害に異議を唱えたためにヒトラーは中止の命令を出します。

しかし、精神医や医療従事者たちは、一度始まった殺害をやめられず秘密裏に野生化し続けられた。

このことに対して、精神科医たちはトラウマと贖罪の気持ちを持ち続けるが、ドイツ精神科医の障害者とその遺族への公式謝罪と追悼式は2011年、70年以上経ってからであった。

二つ目は、日本学術会議のこと
日本学術会議は研究者の国会のようなところである。
そこでは第2次世界大戦を省みて、「軍事研究はしない」という声明を二回出している。
しかし、2年前、防衛装備庁は研究に3億円の助成を出すと発表。
研究はしたいが研究費が少ない研究者にとっては喉から手が出るほどの助成である。
「軍事研究はしない」という声明とのジレンマに苦しむが、軍事研究でなく基礎研究でもいいというので助成を受ける研究者がたくさんいた。
昨年には6億円の助成。
そして今年、「個別自衛のための研究ならいいのでは」と日本学術会議の会長が言い出し、「安全保障に関する委員会」が4回開かれた。
どうも反対派は押し切られる形勢のようだ。
今年のこの研究費助成予算の概算要求は108億円という。

今は「すべり台社会」。落ちるとどこまでも落ちていく。

日本学術会議も個別自衛権ならとすべり台に足をかけ始めた。

頭は、心が本当に必要と思ったものに使われるべきだろうが、心を置き去りにして頭に使われ命をないがしろにしないでほしい。

どちらもワイマール憲法をなし崩しにしたナチスのやり口
人は目先の利益に流され、本当に大切なことを忘れてしまう。
いつの間にか、戦争の足音、人の命の大切さを忘れてしまう世の中になってしまうのではないか。
人離れてしまうと、すべり台のように落ちていく。

最後に、トランプ氏はタブーを破って変えてくれるように思ったが、
それは錯覚。

自分に自信を持って、当たり前の生き方を!
自分を大事に、そして優しさを持って生きていこう!

この状況を止めることができるのも私たちだ。
油断するなかれ、甘い言葉には気をつけよう。

今はとっても危険な状況にあることを再認識させてもらった講演会でした。


posted by m_ochiai at 21:50| 兵庫 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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