2014年11月16日

こどもの時間を観て、「洗脳」された社会が顕に!

埼玉県桶川市にあるいなほ保育園は、広い敷地に森と畑、馬や山羊のいる牧場まであります。
映画「こどもの時間」は、いなほ保育園に通っている0歳から6歳のおよそ100人のこどもとおとなと山羊と馬とロバとガチョウとニワトリと犬とクジャクが、火と水と風と土とともに生きている姿を1995年から5年間記録したものです。

昨日、福山で開催しました上映会は60名ほどの観客でしたが、みなさんそれぞれに強い思いをお持ちになってお帰りになったのではと思います。

ちょっと長文になりますが、感想を書きとどめておきたいと思います。

昨日は、上映を企画したメンバーと感想を交え話ししているうちに、あっ、そうなんだ私たちはいつの間にか
「洗脳」されていたという言葉が浮かびました。

清潔にしないと病気になると抗菌剤。
洟でグズグズしていると、やれ風邪薬。

いまどきの保育所は、何もかもが管理され、衛生的な保育環境の整った施設をもち、「安心・安全」をモットーにした保育。

「危ない」「ダメ」「早くしなさい」「大人の言うことは聞きなさい」・・・

こどもの頭を打ってきた言葉・言葉・・・


しかし、映画のいなほ保育園は、違いました。

食事の場面では、
焼きあがったさんまを先生がテーブルにドンと置き、
ひゃ〜汚い!

こどもがフ〜フ〜しながら、唾も混じって、手づかみで食べ始めます。
きゃ〜大丈夫?
さんま のコピー.jpg
小さな子には分け与え、自分が舐めた骨をほかの子にあげます。
ヒヘェ〜(;゚Д゚)!、いい身の部分をあげなさい


ふろふき大根の味噌は、大根に付け終わるとスプーンごと舐めて、器に返します。
「二度づけ禁止やで〜」と串カツ屋さんのお言葉が飛んできそうな場面ですが、ここでは平気なのです。

畑のトマトは美味しそうに、みんなでまわしてかじります。
すいかは、おじさんが空手チョップで割って、汁も残らずみんなで食べます。

ほとんどのこどもたちは洟を垂らし、裸足で野山を駆け巡っています。

これだけでもすっ飛んでいますが、
この保育園の最大の特徴は
「ぜんぶ、放ったらかしにすること」なんです。

どんなにあぶない状況になっても、先まわりして、危険に近づかないようにはしないのです。
ケガをしようが何をしようが放っています。

氷が張った池で、こどもが氷を割って遊ぼうと細い杭の上に立ったときも、
すごい急流の川で遊ぶときも、
お米を貰いこどもたちが火をおこしおこげを作るときも、
「洗脳」された私の脳は、思わず「危ない!」「ダメ」と声を上げそうになります。

こどもたちは、ただ自分のしたいことをしているだけ。

そしてそんな活動の中で、ちょっぴりの不平等を感じたら、アクションを起こします。
見習いたいなぁ。
不平等を見逃してきたり、その事実を見ないように教育されてきた大人であったことがしみじみわかるんです。


そして不平等が解消されれば、機嫌を直して、すぐ仲良く遊びだします。
う〜ん、見習いたい。
いつの間にか仲良くなる条件を違うように刷り込まれていたのです。



映画を観ていると、タイムスリップしたみたいな気分になります。

昔の子は、当時は子どもが多かったせいか、放ったらかしにされて、鼻水垂らして、そこにあるものをおもちゃにして無心に日が暮れるまで遊んだものです。
そして、何かしら大人のお手伝いもし、早く大人のようになりたいと思ったものです。
そういう経験をふつうに通過してるんです。

いなほ保育園では、こどもたちが馬や山羊の面倒をみたり、お腹がすくと、2歳の子でも自分で椅子を運んで、食事の準備をしたり、夏になると、お父さん達の手作りの木を組んだ畳敷きのプールで毎日、自分に課した挑戦をしたり、竹馬で不安定な材木の上を渡り切る為に何回転んでも挑戦したり、子供たちの自立を促す取り組みが見られます。
プール.jpg
年下のこどもは、年上のこどものやることに憧れ、見よう見まねで覚えていきます。

年長さんは針を使い、自分たちの卒園衣装を縫い上げる。

これが通過儀礼。

成長の喜びを味わう日々が続いています。

経済優先社会の中では、こどもたちは「いろんなことをする」という機会をうばわれています。
ミヒャエル・エンデの「モモ」のように、
本来あるこどもの時間を取り戻した「いなほ保育園」のこどもたち。

子どもというのは、こんなに元気でエネルギーを持っているものなんだ。
絶対的に信頼できるものなんだということがわかります。

現実社会と「いなほ保育園」のギャップに、私たちが長いあいだ受けてきた「洗脳」の呪縛が解けそうになっています。
posted by m_ochiai at 14:31| 広島 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | カテゴリ無し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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