毎月、NPO法人ネットワーク『地球村』の会報誌の記事を書きながら、ありがたいなぁと思うのです。
それは、世間的には引退してゆっくり孫の相手でもする年ですが、まだ仕事をさせていただいていることだけではないのです。
記事を書きながらいろいろな情報を調べることによって自分の思考を深められることなのです。
こんな機会を頂けなければ、深く考えることもしないであろう私ですから、世間の波に流されて適当に暮らしていたのではないかと思うとなおさら、この仕事を有難いと思うのです。
例えば、
「岸田首相は、将来のクリーンエネルギーとして期待される核融合について、研究開発戦略を策定する考えを表明した。有識者会議を設置し、実用化に向けた戦略を来春にもまとめる指示を出した。」と9月中旬にマスコミの報道がありました。
これらの報道を見る限り、「化石燃料に頼らないため、二酸化炭素は排出しない。燃料の重水素は海水から採取でき、安定した国産エネルギー源という点で、原発以上にメリットが大きい。」
と 地球温暖化やエネルギーの自給率の問題がクリアできる「夢のエネルギー」と報道されている。
読売新聞社説 核融合戦略 期待大きい次世代エネルギー
2022/09/21 05:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20220920-OYT1T50222/本当にそうなんだろうか?
文科省の解説を見ると原発と同じようなリスクがある。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/fusion/核融合は、重水素(D)と三重水素(T)が融合する際に生まれる膨大なエネルギーを利用する。
太陽の発熱原理と同じだ。

Tの原料となるリチウムやDは海水中に豊富にある。
CO2も排出しない。核兵器への軍事転用の恐れも少ない。
しかし、Tは放射性物質で反応しなかったTは分離・回収し、核融合炉に戻す仕組みが必要。
また、炉内は、放射線である中性子にさらされるリスクがあるし、低レベル放射性廃棄物として適切に処分する必要がある。
ほとんどの報道は「次世代の夢のエネルギー」と言ってリスクは伝えていない。
『未知の技術は未知の問題を生む』という当然のことが語られていない。
↓こちらは分かりやすいのでおすすめです。
核融合炉は放射能を出さないって本当!
https://onl.bz/SHbkMKa情報を調べて思うことは、大学の頃のこと。
東京では光化学スモッグの環境汚染で多くの問題を引き起こしていました。
たまたま、大阪に帰省の新幹線の隣に居合わせた研究所の方の言葉です。
「光化学スモッグなどの環境汚染問題が出ることは分かっていたが、どうしようもなかった」という懺悔の言葉でした。
新しい技術の便利快適の裏には不都合な危険が張り付いているのです。
その危険は往々にして弱いものに流れていきます。
研究者たちは研究の成果を出すために、あるいは政治家は見た目の成果を求めて都合の悪い情報は出し渋る
マスコミはそれらの人の話を聴いて、いいところだけを報道する
根本問題を語るほど暇ではない!
実は根本問題こそ大事なんですが…
私たちは「夢のエネルギーだ」と有頂天になる前に、それだけのエネルギーを必要としている社会のありようを深く考えなければいけません。
遠く1万2千年前の穀物の栽培が失敗だったと「サピエンス全史」など歴史書にあることかもしれません。
出来ることは自分自身の今の足元を見直していくことだと思います。
自分の足元から、地球温暖化などの問題がどうして起こったのかを振り返り、軌道修正するよう努めたいものです。
posted by m_ochiai at 09:57|
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